[東京 30日 ロイター] ソフトバンク<9984.T>とKDDI<9433.T>は30日、米アップル<AAPL.O>の「iPadmini(アイパッドミニ)」の国内販売を開始した。高速回線LTEに対応する。
両社とも、LTEに対応した第4世代のアイパッドも同日発売。これまでアイパッドの取り扱いはソフトバンクだけだったが、2社そろっての取り扱いとなり、競争が激化する見通し。
すでにアップルの直営店では、携帯回線を搭載しないWiFiモデルのアイパッドミニを11月2日から販売しているが、同日から通信2社がLTEを含む携帯回線モデルを売り出した。KDDIは携帯回線モデルのみの販売だが、ソフトバンクはWiFiモデルも取り扱う。
KDDIの田中孝司社長は、東京都内の展示施設で開いた発売イベントで記者団に対し、ソフトバンクへの対抗策について「デバイスは同じで変わらないので使い方を訴求したい」と述べ、月額390円で利用し放題のコンテンツ配信サービス「スマートパス」サービスをアイパッド向けにも提供開始すると強調した。すでに「iPhone(アイフォーン)」の対応は始めている。
ソフトバンクも東京都内の販売店で発売イベントを開催。海外出張中の孫正義社長に代わって出席したソフトバンクモバイルの宮内謙副社長は、12月1日よりKDDIからMNP(番号持ち運び制度)で乗り換えるアイフォーン契約者にアイパッドミニ(WiFiモデル・16GB)を無料で提供するプランを開始することを明らかにした。また、アイフォーン5の発売とともに始めた旧機種の下取り制度をアイパッドでも始めることも強調した。
また、宮内副社長は、アイパッドミニについて「世界的に供給が追い付かない現状だ」として、初期の納入台数が不足しており、当初は取扱い店舗を絞っている状況だと説明した。
アイパッドミニは従来機より小さい7.9インチ画面を搭載。7インチサイズのタブレット端末は、米グーグル<GOOG.O>の「ネクサス7」や米アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>の「キンドルファイアHD」など今年の年末商戦で発売となり、端末間の競争も激しくなりそうだ。