「日本直販」の名称でテレビ、ラジオを通じた通信販売を手がける総通(大阪市中央区、喜多俊憲社長)が9日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請した。「高枝切りバサミ」などのヒット商品を出したが、インターネット通販の普及などにより、売上高はピーク時から半減。約175億円の負債総額を抱え、事実上の経営破綻となった。今後、コールセンター大手のトランスコスモス(東京都渋谷区)の支援を受け、再建を図る。
通販番組に自ら出演することで知られる「ジャパネットたかた」(長崎県佐世保市)の高田明社長(63)は「ビックリしました。日本直販さんに憧れてテレビショッピングを始めたようなところがありましたから」と、トレードマークのハイトーンボイスを封印し、残念そうに話した。
同社は業績を伸ばしているが、高田社長は「これからテレビ通販が伸びていくのは難しい」と冷静に分析。「家電不況もかつてない領域に入っています。今こそお客様の満足に応えられるよう企業努力を続ける時。過去の成功体験を捨て去り、変化に対応するのではなく、自ら変化を生み出していきたいです」と今後を見据えた。
一方、日本文化センター(東京都新宿区)の担当者は、長年のライバルについて「昔から一緒にやってきた会社さんですからね。大変だな、と思います」と話した。
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