20代は、とかく表面的なものに目が行きがちです。持ち物、社会的地位、車、家などがそうです。パートナーシップでも、相手の外見に惑わされがちです。目の前の人が美人だったりイケメンだったりしたときに、中身はあまり吟味せずについ飛びついてしまったという経験がある人もいるでしょう。
30代になってくると、さすがに表面的なものに振り回されることなく、中身をよく見る余裕が出てきます。
人生でも、社会的に成功することだけが大切だと感じられなくなり、逆に、20代の頃は意識しなかった家族、友人、子どもなどが、かけがえのない財産に感じられてきます。
そういう視点から見ると「何のために生きているのか?」という根源的な問いが、ごく日常的なテーマになるのも30代だといえるでしょう。
20代の頃にも人生の目的を考えたことはあったでしょうが、哲学的すぎたり現実的すぎたりして、バランスが取れないことが多いものです。
30代に入って、結婚したり、親や親しい親戚を見送ったり、子どもが生まれたりすると、自然と命について考えるようになります。
そして、この地球で過ごす自分のこれからの時間についても真剣に考えるようになるでしょう。忙しい日常の中で「いったい、自分は何をやっているのだろう?」とむなしくなることもあるかもしれません。
また、本当にやりたいことが見つかって、それに向かって全力投球を始めている人もいるでしょう。
そのように、30代では現実的な人生と向き合って、これまで以上に生きる目的を考えるようになっていると思います。本書でお話ししてきたとおり、自分の限界を見たうえで、日常生活の中で否応なしに生きている意味を考えるからでしょう。
人生の目的というと大げさな感じがしますが、要は、何を大切にするのかです。家族との関係なのか、ライフワークなのか、個人的な夢なのか。自分にとってかけがえのないとっても大切なもの、それが人生の目的です。
あなたには、そういうものがあるでしょうか? 何であれ、生きる目的がしっかりある人は幸せです。 それは家族と楽しい時間を過ごすことであっても、エベレストに登ることであっても、学校をつくることであってもかまわないのです。
朝起きて、心からやりたいことがあるのはとても幸せなことです。世界中の人がどう考えようと、あなたが本当に大切にしたいものを見つけてください。
そして、それを中心に毎日を送ることができると、あなたはこの世界でもっとも恵まれた、幸せな人になれるでしょう。(後略)
何のために生きているのか? 30代で考えなければいけない
誠 Biz.ID 11月16日(金)11時49分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121116-00000016-zdn_b-bus_all