空前のダンゴムシブーム [大阪ロマン紀行] - 大阪日日新聞
昔、公園の落ち葉や石をどけると必ずおった「ダンゴムシ」が、テレビや絵本の影響により子供たちの間でブームになっている。
灰色の体、触るとアルマジロのように丸くなることから関西弁で「まるむし」と呼ばれているが、正式名称は「オカダンゴムシ」と言い、名前に「ムシ」とついているが昆虫ではなくエビやカニと同じ甲殻類に属している。
子供にとってどこにそんな魅力があるのだろうか?
今年10月、長居植物園において観察イベントを実施した大阪市立自然史博物館学芸員の石田惣さんにお話を伺った。
「ダンゴムシは、明治以降に日本へ渡ってきた外来種で、形状のかわいさから子供たちに根強い人気があります。
博物館でも、かれこれ7年近く観察イベントを実施しており、今回も50人の参加者が公園内で採取し観察を行いました。
飼育もしやすいので自由研究の題材に適しており、さまざまな実験やレースをして遊ぶこともできます」
お話を聞いているうちに会いたくなってきたので取材途中ではあるが採取することに。
とはいえ随分ご無沙汰しているので発見することができるのか、多少の不安がよぎる。施設を飛び出して1分。公園の石をどける。
「おった!!」
何かちょっとした感動である。そういえば子供の頃、時折「青いダンゴムシ」を見た記憶がよみがえる。
希少性が高くコバルトブルーに輝いていたことから、宝石を手にした喜びに満ちあふれていたが、
実はウイルス感染によるもので余命わずからしい…(人には感染しません)。
次々に採取していく中で、触っても丸くならない種類がいる。「ワラジムシ」である。
ダンゴムシと見た目は変わらないが、湿り気のある便所でよく見かけたことから「ベンジョムシ」と言われていた奴(やつ)だ…。
あれこれひとり言をつぶやきながら寒空の下、童心に帰る。愛着も湧いたことだし、せっかくなので自宅で子供と飼育することにした。
新しい家族の誕生である。しかし今日も嫁だけは、居間で丸くなり関心を示さない。
http://www.nnn.co.jp/dainichi/rensai/oskroman/121123/20121123054.html